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2011.10.29
[イベントレポート]
2~3年後には、なぜ3Dで撮ったのかという質問をされることはなくなると思っています――10/23(日)コンペティション『夢遊 スリープウォーカー』:Q&A

もはや定番の強力タッグ=オキサイド・パン監督×リー・シンジェ主演の最新3Dホラー『夢遊 スリープウォーカー』が、TIFFで待望のワールド・プレミア! 監督とリーさんの「結婚後はじめての共同作業」としても注目の同作上映終了後に、その他の豪華キャストの皆さんも交えてのQ&Aが「ネタバレありで」行われました。
スリープウォーカー

©2011 TIFF

 
まずは登壇者の皆さんから、満席の会場のお客さまにごあいさつ。
 
オキサイド・パン監督(以下、パン監督):今日は夜遅くにもかかわらず、こんなにたくさんのお客さまにご来場いただきまして、まことにありがとうございます。作品完成後、はじめての公開上映を皆さんの前でできて、とてもうれしいです。
スリープウォーカー
 
リー・シンジェ:ミナサンコンバンワ ワタシハ シンジェサン デスカ(※もちろん正確には、最後は「デスカ」ではなく「デス」なのですが、当日のほんわかした雰囲気を再現するため、そのまま採録いたしました)。私たち5人も、完成した作品をスクリーンで観たのは今日がはじめてだったので、とても興奮しています。
スリープウォーカー

©2011 TIFF

 
フオ・スーイエン:今日は特別な日なんです。じつは私の誕生日でして ―会場から大拍手― 監督からとても素晴らしいプレゼントをいただいた気分です。皆さんと一緒に完成した作品を観ることができてうれしいです。
スリープウォーカー

©2011 TIFF

 
チャーリー・ヤン:ハジメマシテ ヨロシクオネガイシマス。クランクアップ後、この5人が一堂に会するのは今日がはじめてなので、なんだか特別な感じがします。映画はとても重いムードですが、私の気持ちはハッピーですね。
スリープウォーカー

©2011 TIFF

 
リー・ゾンハン:皆さんこんばんわ。僕もとてもハッピーな気分です。とくに、こんなに美しい女性3人と、セクシーでカッコいい監督と一緒に仕事ができたことが。ここで、僕から3人の美女に謝らなければならないことがあります。映画の中で悲しませてしまってごめんなさい。でも、僕は殺してないですから、殺したのは兄ですから!(笑)。まぁ冗談はさておくとして、彼女たちの演技は本当に素晴らしいです。観客の皆さんにも、この映画を気に入っていただければ幸いです。
スリープウォーカー

©2011 TIFF

 
香港・マレーシア・中国・台湾と、各地の華人が揃ったQ&Aだけに、「何語で話されるのか?」という興味もあったのですが、基本的に、パン監督とリー・シンジェさん、チャーリー・ヤンさんは(香港でのキャリアも長いので)広東語で、他のおふたりは中国語(いわゆる北京語)でお話しをされていました。
 
以下、観客の皆さまとの質疑応答です。
 
――ズバリおききします。なぜ、この映画は3Dで製作されたのですか?
 
パン監督:おそらく2~3年後には、そういった質問をされることはなくなると思っています。かつて映画は白黒でしたが、これがカラーに変わってきた頃、映画製作者はこのような質問をされたのではないでしょうか「なぜ、カラーで撮ったのですか?」と。映画の技術は日々進化し続けています。最新の技術を使った映像をお届けするのが我々の使命であって、それ以外の、他意はありません。あくまで技術の進化に従って、3Dを選択したということです。
 
――私は予知夢をみることがあるのですが、皆さんはそういう経験がおありですか?
 
パン監督:『夢遊 スリープウォーカー』の着想は、私自身の夢にあります。じつは10年ほど前から、映画の中に出てくるような「木に凧が引っかかっていて、その下に死体が埋まっている」という夢を何度もみています。自分は殺人を犯してはいませんけれど、そのイメージが怖くて、夜中に何度も起きてしまいました。ですから、本当に人を殺して、埋めてしまったような人は、絶対に眠ることができないと思います。
 
リー・シンジェ:予知夢ではないんですが、不思議な夢をみたことはあります。夢の中で、私はどこか知らない町を歩いていたんですが、後日、その夢とまったく同じ町に私は行ったんです! ちなみに、監督のような怖い夢をみたことは一度もありません(笑)。
 
フオ・スーイエン:私はそういう夢をみたことはないです。寝言はよくいうんですが(笑)。
 
チャーリー・ヤン:(中国語で)夢っていうのは・・・あ、やっぱり広東語にします(苦笑)。夢っていうのは、何かいつも考えているようなことがあると、それが出てくるような気がします。私はいま脚本の勉強をしているんですが、執筆に煮詰まって、そのまま寝てしまうと、続きの展開が夢の中で浮かんでくるんですよ。ですから、次の朝起きてまず私がするのは、ペンをとって夢の内容を書き留めることなんです。夢は私にとって、いい手助けになっていますね。
 
リー・ゾンハン:僕は物心ついた頃から、ほぼ毎日、夢をみています。夢というのは、何かやりたい、誰かと会いたいという思いがつのった時にみるものだと思います。僕は朝起きて、前日の夢を思い返して、今日は運がよさそうだとか、そうでもないなとか、そんな夢占いのようなことをしています。
 
――色々な伏線が張りめぐらされた、面白い作品でした。それら伏線のひとつになると思うんですが、イー(リー・シンジェの役名)の元夫が執着するおもちゃのロボットがありますよね? あれはどのような狙いで出されたのですか?
 
パン監督:僕自身がおもちゃのコレクターなんです。とくに日本のおもちゃの。劇中、イーがおもちゃを捨てるシーンがありますよね? あのシーンは、ウチの奥さん(リー・シンジェのこと)は嬉々としてやったと思いますよ。実生活でやりたがっていることなんで(苦笑)。ただ、僕はあのシーンをみると胸が痛くなります。
 
――香港警察は、実際の捜査で催眠術師に協力を依頼することはあるんですか?
 
パン監督:あるといいますね。例えば、強いショックを受けて心を閉ざしてしまった人から話を引き出すときなどに。これは香港に限らず、世界中で行われていることではないでしょうか。
 
――(リー・ゾンハンさんに)映画を観ていた人は、誰もがあなたが犯人だと思っていたんじゃないでしょうか。今回、このような素晴らしい監督、共演者にめぐまれての撮影はいかがでしたか?
 
リー・ゾンハン:今回、この映画に出演できたのは、とても喜ばしいことでした。監督の奥様は素晴らしい才能をもった女優さんで、彼女と共演できたことは光栄です。ですが、あくまで監督の奥様ですから、あまりなれなれしくお話しするワケにはいきません。劇中でも、僕は「親しい友人」のつもりで彼女に接していました。
フオさんとは長年の友人なのですが、あらためて彼女と共演してみて、その演技力の高さに感動しています。加えて、その美しさ。これだけ美しい女性警察官は、そうはいないですよね。でも、僕は以前から彼女を知っているので、どうしても妹にしかみえないのです。
ヤンさんは、昔、彼女の映画を観て恋焦がれていたことがあります。ですから、彼女と共演できたことはこの上ない幸福でした。
もちろん素晴らしい監督の演出のもと、3人の最高の女優たちと共演できたことは、最大の喜びです。
最後にもう一度いっておきますが、僕は犯人ではありません(笑)。
 
文字だけでは伝わりづらいのですが、ゲストの皆さんは終始笑いっぱなしで、仲のよさがこちらまで伝わってきそうないいムード。重く苦しいトーンで進行する映画とは180度違った、楽しいQ&Aが繰り広げられました。

夢遊 スリープウォーカー

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