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2011.10.24
[イベントレポート]
10/23(日)コンペティション国際審査委員公式記者会見

第24回東京国際映画祭の最終日には、世界各国からコンペティション部門に選ばれた15作品の中から栄えある東京サクラグランプリを始め、各賞の受賞者が発表されます。その審査を担当してくださる5名の審査委員の皆様をお迎えして、記者会見が行われました。

10/23審査委員記者会見

©2011 TIFF

 

■  日時・場所  
10月23日(日) 17:15~ @ムービーカフェ

 

■ 登壇者    
エドワード・R・プレスマン(審査委員長)、キース・カサンダー、ファン・ビンビン、小林政広、レイコ・クルック

 

エドワード・R・プレスマンさん:  審査委員としてお招きいただき光栄です。本日より、審査の仕事を始め、まだ2作品しか見ていませんが、既にこの映画祭(映画作品)の質の高さを理解できたように思います。

10/23審査委員記者会見

©2011 TIFF

 

ファン・ビンビンさん: 審査委員として選ばれ素晴らしい映画人の方々と映画を見ることができ、光栄です。本日見ました2作品からは、正に映画祭のテーマであります「映画の力」を感じることができました。その他の作品についても良い出会いとなることを期待しています。今回は中国語の作品が二つあり、もちろん中国の作品が選ばれてほしいという個人的な気持ちはありますが、必ず公平な目ですべての作品を見て、演出や物語を感じて、自分の心に従って選びたいと思います。

10/23審査委員記者会見

©2011 TIFF

 

キース・カサンダーさん: 欧州でも3月11日の災害については大きく報じられています。震災以降の日本に訪れて、改めてこの映画祭を実現されたことの意義を感じています。

10/23審査委員記者会見

©2011 TIFF

 

レイコ・クルックさん: 私は足掛け35年程パリを中心に欧米で映画の特殊メーキャップという仕事に携わって参りました。アトリエで、バックステージで、カメラの後ろで映画に参加している私が東京国際映画祭という光栄な場所に審査員として来るということはミスキャスティングではないかとも思いますが、こうなりましたら後には引けません。アカデミックな映画評価はできませんが、自分がものをつくる時にたったひとつだけ頼りにしてきた自分の感性を頼りに現場で凝視してきた目をスクリーンに向け、一生懸命この務めを果たして行きたいと思います。

10/23審査委員記者会見

©2011 TIFF

 

小林政広さん: ある人から教わったことですけども、映画は理屈で見るのではなくて五感を全開にして感じていくものだと教わりましたので、そのように五感を全開にして映画を見ていきたいと思っています。

10/23審査委員記者会見

©2011 TIFF

 

-どのような点に注目して審査をするのかについて、そして好みのジャンルについては:

 

エドワード・R・プレスマンさん:  私は色々なジャンルを映画を制作してきましたから、どんなジャンルであってもそのジャンルをどれくらいか拡張して表現していけるのかという点に着目したいと思います。

 

キース・カサンダーさん: プロデューサーに映画について尋ねるのは賢明ではないと思います。仕事柄、カット、音楽、演技、メーキャップ、衣装など技術的な面、キャスティングはどうなのか、すべての要素が上手く調和しているかに着目し、感情移入して映画を見ることできないことがあるからです。どんなジャンルであっても、そのジャンルに相応しい作品に仕上がっているかどうか、それが重要です。簡単な例として、歴史物の映画を見た時にその時代に即した髪型をしているかどうか、そんなところに目が行きます。

 

ファン・ビンビンさん: 今回の審査委員の方々は様々な立場で映画に係わっていらっしゃいます。私自身は女優ですが、映画というものは、大勢の人たちがひとつの暗い部屋の中で2~3時間スクリーンに集中して見るものです。主にストーリーが良ければ、ストーリーが見ている側の感情に触れるものであれば、それは良い映画なのだと思います。技術や表現なども大切ですが、心に感動を与えるものであれば成功したと言えるのではないかと考えています。

 

レイコ・クルックさん: エモーションというのは、映画の場合はテクニックが必要で、エモーションをつくろうと皆四苦八苦するものです。特殊メイクと言いますと皆さんホラーだと思われるのですが、あまりホラーは好きではなくて、皮膚感覚に迫るようなゾクっとするような、エモーションを与えるようなメイクをつくりたいと思っています。映画というのは人生を描くものですから、ジャンルに拘ってはいません。すべてのジャンルに大事な人生に必要な方向性が入っていると思っています。

 

小林政広さん: 色々な国で制作の状況があるだろうし、制作費のない映画もあると思います。また、何十億もかかっているのかなと思う映画があるかもしれないし、テクニックや時間をかけて、ちゃんとした時代考証があればそれなりの映画になるのだろうと思います。黒澤明監督ではないですけど、一度見たら死ぬまで心に残るような映画をつくるように心掛けるべきであるとおっしゃっていますけど、そのようなつもりで心に残る一度見たら忘れられない映画を見たいし、つくっていきたい、そういう気持ちで見ていきたいと思っています。

 

-そして審査委員長に若い世代に向けてのメッセージをいただきました:

 

エドワード・R・プレスマンさん:  映画ではオリジナリティが重要です。世代から次の世代へと映画は進化し続けます。私が映画を作り始めた頃からすれば、技術面でもデジタル化など、また感性も大きく進化しています。そういったことが映画を常に新しくおもしろいものにしてくれているのだと思います。

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第23回 東京国際映画祭(2009年度)