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2011.10.30
[更新/お知らせ]
コンペティション 『J.A.C.E/ジェイス』 10/28(金)公式記者会見

10月28日(金)、『J.A.C.E/ジェイス』の メネラオス・カラマギョーリス監督、フェニア・コソヴィツァさん(プロデューサー)、アルバン・ウカズさん(俳優)をお迎えして、記者会見が行なわれました。
J.A.C.E./ジェイス

©2011 TIFF

本作品は、ワールドプレミアとして、東京国際映画祭で上映しました。

 

■   日時・場所

10月28日(金) 16:30~ @ムービーカフェ

 

■   登壇者

メネラオス・カラマギョーリス(監督/脚本/プロデューサー)、フェニア・コソヴィツァ(プロデューサー)、アルバン・ウカズ(俳優)

 

アルバン・ウカズ: おそらく誰もが同じことを繰り返し言っていると思いますので、月並みの表現になってしまうかもしれませんが、心の底からここにいることを幸せに思っています。日本の田舎の風景をまだ見ることができていませんが、東京でのライフスタイルについても感銘を受けています。
J.A.C.E./ジェイス

©2011 TIFF

 

メネラオス・カラマギョーリス監督(以下、監督): 実は、映画祭の二日前に映画が完成しました。ですからこういうかたちで一般上映できることをありがたく思います。ギリシャやバルカン半島の難しい問題を取り上げた作品ですが、前向きな反応をいただけて嬉しく思っています。
J.A.C.E./ジェイス

©2011 TIFF

 

Q: こんなにも同性愛者や犯罪が多いのかと驚きました。14章までありますが、これは現実のギリシャの姿ととらえていいのしょうか。

 

監督: どの国にも観光客に見せている面、それからもっと現実的な面の両方があると思います。この映画は、ダークな部分だけではなく、楽観的な部分をも含めて、実際にギリシャで何が起きているかを見せようとしました。この時代にバルカンで起きていること、国境問題や対立を乗り越えようとする人物の物語です。少年は、映画の中の14章を通して、自分の手で運命を、人生を掴むことができるということを実証し、自分が人生に求めていることは何かを見つけます。もうひとつ重要なのは、主人公が、現代のユリシーズであるかのように、家を離れて自分の国が何であるのかを見出そうとします。彼にとって大切なのは家族を築くことです。現代の家族というものには差別や人種差別的な思想はないと確信しています。それぞれに自分自身の価値観と人生における役割があります。

 

Q: 資料には、実話を元にした過酷な物語とありますが、どの程度が事実なのでしょうか。

 

監督: 映画の中のストーリーは、実際の出来事を元にしています。毎日、新聞やテレビで報じられているような内容です。第一面に報じられるようなニュースではありませんけどね。ですから映画は新聞に始まって、テレビで終わります。様々な日常的に起きている出来事や事件が組み合わさっています。すべてが現実的に映ることを意識し、効果などを使わず、このようなシネマトグラフィにしています。

 

Q:  しゃべらないと決めた難しい役であったと思いますが・・・

 

アルバン・ウカズ: 沈黙をもってなおかつコミュニケ―ションを成り立たせる方法というのが、一番難しかったです。少年ジェイスは、もう絶対に言葉を発しないと誓います。台詞は、役者にとって重要なツールのひとつです。しかし、こうした制約があったからこそ、もっと自由な、別のかたちでコミュニケーションをする手段を見出すことができたのだと思います。

 

Q:  ギリシャの北部で暴動とマフィアとの関係について教えてください。

 

監督: アルバニアのマフィアがこどもを人身売買の対象にしたりするといった問題があります。ジェイスもその犠牲者の一人です。現実に、アルバニアの南部の村人たちはマフィアを相手に戦っています。当初台本を書いた時、少しフィクションぽいかなと感じました。しかし、ちょうどフィルムを編集している頃、映画に描かれているのと全く同じようなことがバルカンで起きていました。

 

Q: ギリシャが今直面している経済危機は、映画制作に影響したのでは?

 

フェニア・コソヴィツァ:  この作品は2009年にクランクインしました。順調な滑り出しだったのですが、昨年になって資金の調達が難しくなりました。経済危機の中映画に費やすお金はないと・・・しかし、様々な人の協力を得て、東京国際映画祭もギリギリまで待ってくださったりと、どうにか仕上げることができました。
J.A.C.E./ジェイス

©2011 TIFF
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