強力作が居並ぶ2011年の台湾映画夏興行でダークホース的な大ヒットを記録、台湾(おバカ系)青春映画のひとつの到達点といわれる傑作『あの頃、君を追いかけた』の監督&主演俳優による舞台挨拶が、10月22日の作品上映前に行われました。
最初にマイクをとったギデンズ監督は、日本語で「ミナサンコンニチハ、ボクハ“サクラハナミチ”デス」と“つかみの”ご挨拶。
もちろんこれは「スラムダンク」の主人公=桜木花道のことなのですが、このことからもわかるように、日本の漫画・アニメに多くの影響を受けた(ご本人談) ギデンズ監督だけに、『あの頃、君を追いかけた』の劇中にも、(「スラムダンク」作者の)井上雄彦先生について語るシーンや「ドラゴンボール」の引用等、“日本風味”がちらほらと。前日21日には秋葉原のショップでフィギュアを購入し、「(「ドラゴンボール」の)鳥山明先生と同じ土地で、同じ空気を吸っていることに興奮する」と語られる、筋金入りの監督でした。
二番目のマイクは、ヒロイン役のミシェル・チェンさんに。
「ヨロシクオネガイシマス、ワタシハ“イェンシー”デス」と、こちらも日本語でのご挨拶(※ちなみに“イェンシー”とは、チェンさんの中国語名“妍希”のことです)。続けて中国語で「この『あの頃、君を追いかけた』は、私に多くの幸せを与えてくれました。皆さんも映画を観終わった後に幸福を感じていただければ嬉しいです」とのお言葉を。
ギデンズ監督の実体験を映画化したといわれる同作で、監督ご本人の役を演じたコー・チェントンさんも「ハロー! ボクハ“コー・チェントン”デス」と英語+日本語での挨拶から、「この作品のプロモーションで色んな土地をまわってきましたが、いよいよ日本に来ちゃいました」と笑顔でコメント。客席からの黄色い声援(?)を一身に集めていました。
この後は文字通りギデンズ監督の独壇場で、
「主演男優は僕と同じくらいカッコよくなければならないので、キャスティングは大変だった」
「コー・チェントンは自分に比べればカッコよさの面では劣るものの(どちらかといえば可愛い)、身長の高さと、(演技未経験者とは思えない)演技力と努力で、ギリギリ僕のレベルに達していたと思う」
「でもそれだけではパンチ力に欠けるので、(サービスカットとして) コー・チェントンのヌードシーンをふんだんに散りばめてみました」
「ミシェルが演じたキャラクターは、かつて僕がホントに思い焦がれていた女性なんですが、この役を大好きなミシェルが演じてくれただけで、映画の出来は二の次で、僕は大大満足でした」
と、独特のユーモア感覚でコーティングされたマシンガントークを連発。
ちょっと押され気味の主演のお二人も、
ミシェル「私が演じたシェン・チアイーは真面目な勉強家タイプの女の子ですが、(彼女ほどではないですけど)私も学生時代はよく勉強をしていました。でも、私はシェン・チアイーよりは親しみやすい性格だと思うんですが」
コー「ヌードシーンの撮影は楽しかったですよ。なかなか出来ない体験ですし(苦笑)。僕とコートンの共通点は“幼稚”なところ。でも、幼稚なのはいいことですよ。毎日楽しく過ごせますし(笑)」
と自分の役柄に言及し、続く“日本関係”の質問には、
ミシェル「日本でしたいことはショッピング。とにかくショッピング(笑)。あと日本食もいっぱい食べたいです。新鮮な海鮮とか。好きな日本の女優は小雪さん」
コー「(劇中でも語るシーンがありますが)僕ら男性にとって、日本のAV女優は共通の記憶であり、憧れの存在です。好きな日本の俳優は木村拓哉さん」
と話されていました。
監督いわく「企画立ち上げから実現まで、5年もの時間を要した」入魂の1作である『あの頃、君を追いかけた』は、もちろん観客の皆さんにも大好評。客席後方で一緒にご覧になっていたギデンズ監督は、上映終了後に立ちあがって「ドウモアリガトウゴザイマシタ!」と一礼。場内にはスタンディングオベーションの拍手が鳴り響いていたのでした。